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商魂の象徴 数十年の時を経て

2009.03.07

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マスターの実家は樺太商会、略して樺商と呼ばれていた明治37年創業の老舗海産物商でした

この半纏は昭和初期につくられ、マスターが20代の頃に受け継いだそうです

かつて小樽経済が活気づいていた頃、半纏は小樽商人の商魂の象徴だったとも言えるでしょう

『俺も一歩間違ったら、今頃この半纏を来て働いていたかもしれないな・・』とぽつりと言葉にしていました

縁あって今日この半纏をひき取って下さったのは秋野氏です
薬局をIT化した企業を立ち上げ株式公開するなど先端ビジネスに関わる反面、小樽の歴史や文化をこよなく愛する静かな情熱家というイメージの紳士です

古いものを蒐集し、もったいない博物館(今は閉館中)を個人で開設なさったこともあります

マスターは秋野氏に自分の大事にしていた半纏を引き取ってもらった事をとても名誉な事と感動していて、晩酌の話題はこの一本だて。

先祖の思いを後世に繋げることができて役割り果たした、と感慨深げでした

個人も町も家族もいろいろな歴史の積み重ねのうえに今日があるのだなぁと、しみじみとした気持ちになりました

「海猫屋」の半纏つくるかぁ・・とマスター
町が元気を失いかけている今、小樽商人の原点でもある、商魂をこめた半纏を羽織って闊歩するのもいいかもね